その独創的な映像スタイルで世界中の賞賛を集める奇才、ティム・バートンは、たった11分の短編作品に心を奪われた。 2005年のアカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされた、新人監督シェーン・アッカーの『9』である。 そのオリジナリティ溢れる世界観やキャラクター造型の魅力に惚れ込んだティムは、すぐさま長編映画化を決意、プロデューサーとして全面的なバックアップにあたる。 それから5年。アッカーは頭の中に渦巻くイマジネーションをあます所なく実現し、ティムを唸らせるほどのダークでファンタジックなディティールと、ハリウッド大作をも凌ぐアクションシークエンスを併せ持つ、かつてないファンタジー映画を誕生させた。
物語の舞台は人類滅亡後の未来。古びた研究室の片隅で、麻布を縫い合わせて作られた人形が目を覚ます。荒涼とした廃墟で仲間と出会い、モンスターと化した巨大な機械獣に襲われながらも、さらわれた仲間を救うために勇気を奮いたたせる―――。 奇妙かつダーク、それでいて愛らしくもあるキャラクターは、ティム・バートンのアニメ作品にも通じる独特の魅力を放つ。 背景となる荒廃した未来はスチーム・パンク(産業革命の原動力となった蒸気機関が発達し、現実とは異なる方向に発達した社会を前提として描くSFジャンル)と呼ばれる世界観に基づくもの。破壊された街並みや、瓦礫の一つひとつにまで古きヨーロッパの懐かしい雰囲気が込められている。 ティムが驚嘆する「感情に響くディティールと、記憶に焼きつく美しい世界観」がここにある。









