- りんたろう:
(以下りん) - 『9』を見せていただきまして、アメリカからこういう世界観のものが出たということが、僕は非常に嬉しかったですよ。
- シェーン・アッカー:
(以下シェーン) - そういう風に言っていただけて、とても嬉しく思います。僕は常に日本のアニメーションに影響を受けてきましたので、そういったものが多分『9』に見受けられるのではないかと思います。いかに僕らが作る世界に観客を引き込んで参加してもらい、経験してもらうか。そのためにはどんな労苦も惜しまずに世界観を構築していきながら、キャラクターに共感を抱かせたいですね。
- りん:
- どこかデジャヴみたいな感覚もありますし、日本でも新しいファンを獲得すると思いますよ。アニメーションの表現ってものすごく幅広いはずで、それをどんどん追求していく姿勢って監督には必要だし、時にはリスクをしょって失敗する可能性もあるわけだけど、そのあたりは十分に理解してくれるプロデューサーと出会えたらね。あなたの場合はティム・バートンさんという大変な人と出会えたという事実も大きい。
- シェーン:
- 北米でアニメーションに関わっている監督たちは、その表現のフィールドをどうにか広げようと格闘しているのですが、日本で普通に作られているような作品が、残念ながらまだまだ北米では受け入れられない。そんな土壌をこじ開けられないものかと今は努力しているところですし、そのためにもさまざまな作品を作り続けて、観客に届けていくしかない。そして少しでもドアが開いてくれたら、出来た道をさらに新しい才能が続いてくれればと願うばかりです。ティム・バートンが僕にそうしてくれたようにね。
- りん:
- お互い監督ということもあるんだろうけど、あなたと会うのは今日が初めてなのにどこか親近感があるし、実はもうほとんど言うこともない(笑)。だから「どこを苦労しましたか?」なんて聞くのも、実はおかしな話でね(笑)。ただ、僕がまず好きだったのは画面からコンピュータの気配がちゃんと消えていたこと。僕も昨年フルCGで『よなよなペンギン』を作ったばかりだけど、そこには非常に苦労しましたし、あなたも相当苦労したんじゃないかと想像できますよ。
- シェーン:
- そうですね。今回は特に現実世界にある荒さみたいなものを、信憑性を持って描きたかったのですが、CGだとついつい綺麗な画になってしまうので、いかにそうでなくするかということに非常に気を配りました。
- りん:
- 何だかあなたが日本人のように思えてきた(笑)。これからもあなたの活躍を日本から見守って応援していますよ。
- シェーン:
- ありがとうございます。実は日本のお伽噺や民話にも興味がありまして、今は天狗と鬼のリサーチをしているんですよ。日本とアメリカの共同制作で作品を作りたいというのが僕の夢です。日本の才能あるアーティストとコラボできれば、自分にとっても勉強になるし、今は外側から日本の文化を見ている立場ですが、いつかは内側に入り込んで作ってみたいですね。













